元彼のこと①
私がお見合いをする前、お付き合いしていた男性の話です。
私にも少ないながらも恋愛経験があります。
彼は私が最初に就職して8カ月で辞めた会社の上司でした。
当時私は23歳、彼は29歳。
随分と大人に思えましたが、今の私よりはるかに年下ですね。
新卒で就職した私は、泣く子も逃げ出すほどの激務部署に配属され、午前様どころか家に帰らず連続勤務を週3回はこなす生活を送っていました。
彼と過ごす時間が自然と多くなり、何も分からない新入社員の私には頼りがいのある素敵な上司に見えました。
終電がなくなると家まで送ってくれたり、仕事が辛くて泣いていると追いかけてきてくれたり、些細なことが素敵に思えていつの間にか彼の事が好きになっていました。
そんな私の駄々漏れ空気を察したのか、先輩から「あの人は悪い男だからだめだよ」と言われたこともありました。
(悪い男の意味はこの後わかります)
あるプロジェクトの打ち上げで、休みの日に飲み会がありました。
私服勤務の会社のため、いつもはスーツの彼も飲み会の時はいつもと違う格好です。
・Tシャツ
・(ダサい)短パン
・セカンドバッグ
・ビーサン
ダサい!スーツではわからなかったけどダサい!
特にセカンドバッグ!
しかし私の恋心はダサい彼を見て一層盛り上がったのです。
告白されたのは、休日に違うプロジェクトにヘルプに行ったときでした。
そのプロジェクトは彼と仲のいいリーダーが担当しており、仕事帰りリーダーにあいさつに来た彼が家まで送ってくれる途中、「一生懸命仕事を頑張ってるところが好きだ」と告白してくれました。
もちろん私もOK!
こうしてめでたくお付き合いすることになるのですが、この後すぐ激務だったプロジェクトは終わりを告げ、私たちは別々のプロジェクトに配属されました。
その配属先でこの仕事に向いていないことを痛感した私は、退職をすることに決めました。
まずそのことを彼に相談したところ、「他の場所に配属を変えてもらうからもう少しがんばれ」と私を説得します。
しかし私の期待していた言葉は「新しい仕事をがんばれ」だったのです。
仕事で追い詰められ、精神的な余裕がまったくなかった私は、この違いが決定的な違いに思えました。
別れる別れないを繰り返し、私の退職の日がやってきました。
(退職する直前まで、彼はあの手この手で退職させまいとしました)
退職事由に「男ともめて辛い」と書きたいところを一身上の都合とし、私は1年もたたずに会社を辞めました。
しばらく距離を置きたい(会社の事を思い出したくない)と連絡を取らないようにお願いし、1か月ほどしたころ、お世話になった先輩から彼が結婚したという話を聞きました。
(ちなみにまだ別れてない)
相手は仲のいいリーダーから紹介された、年上の看護師さん(妊娠2カ月)とのことでした。
彼は私と同時並行でその女性とお付き合いしており、彼女が妊娠したので結婚したのです。
ショックでしたが、落ち込むほどではありませんでした。
彼からはその後も連絡が来ましたが、返事はしませんでした。
会社を辞めたことで、素敵な上司フィルタが外れたんだと思います。
後日談として、彼が私の現在勤める会社に飛び込みで営業に来たことがあります。
そこで驚く彼に「ご結婚おめでとうございます」といったときは笑えました。
いやらしい私は薬指に指輪がないことを確認しましたが、別れたのか指輪をしていないだけなのかはわかりません。
私の数少ない恋愛の終わりは常に彼の浮気です。
彼には浮気は死だと言い聞かせていく所存です。